2009年09月22日
9/22-23(Tue)
・荷造り、イン・ザ・スカイ
・撤収、イン・ザ・スカイ
・最後の朝食、イン・ザ・スカイ
・最後の地下鉄、イン・ザ・スカイ
・その地下鉄でそのまま空港まで、イン・ザ・スカイ
・チェックイン・ザ・スカイ
・スタバでアイスティー、イン・ザ・スカイ
・チョコ、イン・ザ・スカイ
・ほんとのイン・ザ・スカイ
・乗り継ぎ5分でAMSの端から端まで移動、イン・ザ・スカイ
・2回目の長めのほんとのイン・ザ・スカイ
・隣の人が長身の、来日なさる研究者の人か何かで、江上がこうやって旅情のメモをぱしゃぱしゃ打ってるのを、読まれたら恥ずかしいなこれはだいぶ、と思ってたのだけども、機内食に出てきたミニそばの、めんつゆもきざみのりも使い方分からなかったみたい(註:教えたげた)なので、あ、読んで分からはるということはたぶんないかもな、と安心する、イン・ザ・スカイ
・初めての非常口席で自由に立ち座りできる立場ではあったものの、ずっと寝ててあっという間に到着したので、そんな優位を享受できるほどのあれではなかった、イン・ザ・スカイ
・読書、イン・ザ・スカイ
・この日記、イン・ザ・スカイ
・到着、イン・ザ・スカイ
・ペットボトルのお茶最強伝説!
2009年09月21日
9/21(Mon)
・朝食は奇をてらって、イングリッシュブレックファーストではなく、サーモンとスクランブルエッグというのを注文してみた。うん、サーモンと、スクランブルエッグである。ていうか、上にかけた塩が美味いったらない。
・今日も図書館訪問。
・まずは、これはロンドンの市が設けている公共図書館。劇場等との複合施設にあるもの。詳細は(以下同文)。既知のふつーのサービスを、すべてふつーに実行しているという感じ。そして、それがどれだけ価値のあることか、とあらためて気付かされる。我々(日本の?最近の?)図書館業界、やっぱりどうしても、新しい種類のサービス、新しいタイプの便利さ、それを採ろう採ろうという感じになっちゃってるけど、なんてんだろう、既知のふつーのサービス/便利さから未知の新しいサービス/便利さへのステップの距離が90%と思いがちで、そこを目指そう目指そうなんてしてるんだけども、でもじゃあ既知のふつーのサービスをどんだけちゃんとできてんのか、と。ほんまはその既知のふつーのサービスを、ちゃんとやるのかやらへんのかの差が90なんだよ、というのを肝に銘じないといけない。御託を並べるのは、それをこなしてからにしなさい、と。あと、日本のマンガが意外に少ないので聞いてみると、別館にはたくさんあるよ、と言われる。
・別館の、郷土資料専門図書館も訪問。うん、PC並べるのはいいけど、白髪の紳士が平日の朝から図書館でネトゲとか、やっぱおかしいよね。
・続いて、LondonLibraryという、150年続くプライベートライブラリー、純正に会員制の、いかにもイギリスらしい図書館を訪問する。ていうか、訪問しようとする。ホームページに書いてあった住所が○○○の14番地、で、それをGoogleMapさんにおうかがいしてみると、駅から左行って右行って左行って端っこのとこだよ、とおっしゃるので、駅から左行って右行って左行って端っこのとこまでやってきてみる。・・・・・・ん、どれ? Libraryらしき建物も表示もどこにもない、ハイソそうな住宅とホテルが狭い路地に並ぶだけの感じ。プライベートライブラリーだから、そういう表示も何もなくて分かる人だけ分かるというやつなのか? 祇園かここは? と、しばらくぐるぐるしてみたけど、見つからない。これはもしやGoogleMapさんのよくあるトラップで、住所とぜんぜんちがうところにピンを指さはったのか?と疑い、意を決して、日本から持ってきてる携帯で、日本のiモードにこわごわ接続して(註:いくらかかるかとか予想がつかない初体験)、Googleさんにうかがってみたけど、番地でいうと確かにこの建物であってるな、あってるんだよな、なんか変な東インド会社みたいな看板しか出てないけど、えいやっ、とインターホンを押して案内を乞うと、隣へまわれとおっしゃる。隣へまわると、私邸みたいなところにレセプションデスクのようなものがあって、おっちゃんが座ってるので、すんません、ロンドンライブラリーってこちらですかね、と問うてみると、FAQを得たりと言わんばかりの柔和な笑顔で、うん、それは○○○Squareていうとこにあるんだよ、ここは○○○Placeだよ、って、GoogleMapトラップ発動出ましたああああっ(笑)。というわけで正しい場所は、ここから歩いて5分くらいのところにある、公園に面した通りの一角なのでした。これからこのLondonLibraryへ見学に行ってみようとする日本人の方のために、正しいと間違いの写真と地図を載せておきます。・・・・・・なんということでしょう(笑)。
・そのLondonLibraryは、詳細別途。街中の決して広くない建物のはずなのに、聞けば6階建ての人的スペースと、7階建て+4階建ての書庫2棟、100万冊収蔵とおっしゃるから驚きである、え、この数字ほんとか? 一応現在も毎年5000冊程度は増えてるらしい。書庫は、古い古い鉄骨のを、上の階から下の階までまっすぐ揃えて配置することで柱として支えているという例の方式で、でもそれが7フロアあって150年で100万冊ですか、そうですか、地震のない国というのはうらやましおすなあ。
・以上が、図書館訪問。
・カジュアルな韓国料理で食事をした話。ファーストフード的な韓国料理屋で、定食を注文。さっきまで隣のテーブルでごはん食べてたおじさんが、やおら立ち上がってオーダーをとりにくるから、なんだ、ここの店の人か、と思う。豚肉を少しの野菜とキムチ的なソースで炒めて、ごはんにかけて食べる、&味噌汁。うまい。もはや何が起こったか覚えてないくらいにうまい。卓上の韓国ソースの入ったボトル、アメリカでもさんざんお世話になった、辛くて甘酸っぱいこのソースをちゅるちゅるかけていただく。でも、このソースって買おうと思ってもどこでどう売ってるのか、名前もわかんないしなあ、と思ってたんだけど、その食事処の通りをはさんで真向かいに韓国&日本食材やさんがあったので行ってみた。そしたら、さっきのおじさんがいるじゃん、なるほど、どっちもおたくの経営ですか(笑)。あの、おたくの店のテーブルにあったソースは、そこの棚に並んでる赤いボトルのと同じのですか?と問うと、あー、あれはねえ、似てるんだけどちがうね、自家製だから。ああ、自家製ってことなんだ、そうかそうか。それに似てる元となる唐辛子ペーストをとりあえずいただいてみる。帰国したらググって作ってみようっと。
・一応、宵までやってる博物館に足を踏み入れてはみた。かなり評判の高い所でいらっしゃるのだけども、以前一度行ったこともあり、かつ、西洋の美術館博物館の類がどれも同じにしか見えなくて困る病気が相当程度進行しているようで、散歩した程度のノリで帰ってくる。
・いよいよの、最後の夕食、という段になる。最初のほうに行った、めちゃめちゃでかいフィッシュ&チップスをもう一度確認したくて、同じ店へ。しかも今度は、ちゃんと(笑)ビール付きで注文。・・・・・・わたしまけましたわ。おいしうございました、やはり、これとくらべると例の白木屋の冷凍フィッシュとぜんぜんちがうことが、すぐにわかる。衣はしゃりしゃりしとるし、身はしっとりしとる。
・さらにもう1軒、ホテル近所のパブで、しめのギネスを1杯。さよならイギリス。このパブシステムは、うれしいが、江上には誘惑が大きすぎてよろしくないよ(笑)。
2009年09月20日
9/20(Sun)
・今日は大英図書館と、ちょっと街はずれのほうにある公共図書館らしきところ(Idea Store)とを、訪問する予定。
・それぞれの図書館までの道のり、街を歩く。てくてくと。
・スーパー的なところで甘ったるいドーナツのケースを発見。私の身体が甘ったるいドーナツを求めるの。歩きながらいただきます。
・歩いていると、街のど真ん中の幹線道路っぽいところを、あまたの自転車がしゃーっしゃーっと駆け抜けていかれる。大人となく子供となく、スポーティなの、ママチャリなの、あらゆる。どうやらこの日は、ロンドンの街の中を自転車でしゃーっしゃーって駆け抜けましょう、という市をあげてのイベントだったらしいよ。楽しそうでいいなあ、気持ちいいだろうなあ、こんなの。
・川べりをてくてくと歩く。橋を渡る。
・すれ違った中学生の見学旅行らしきグループ、引率の先生が江上のところに寄ってきて、地図を広げながら、エクスキューズミーと始めそうになるので、ごめんなさい、アイムジャスタツーリストと笑顔で応対する。
・地下鉄の駅を見つけるも、閉鎖されてることが判明。ちょっともう、いい加減歩くのいいよ、てなる。
・昼食は、クィーンズストリートで中華やアジアな料理をいただけるとのことで、まあ中華はどこで食べても一緒だからと思い、カジュアルなタイっぽいところで、焼きそばと、牛肉を細切りにして衣をつけて揚げて超甘ったるいチリソースにからめたもの、というのをいただく。甘い甘い甘い。残すぐらい甘い。
・で、さて、大英図書館。大英図書館についての本体の調査報告はまた別途。ざっと見のインプレッション的なことでは、ロビーはwifiつながり放題で、席もロビーのあちこちにたくさんあって、カフェテリア周辺にもあって、なので、ラップトップ持ち込みで自学自習してる人たちが大勢いらっしゃる。wifi使えて座れて飲み食いできるから、そりゃ人気だろうとは思うけど、うん、さて、これって天下のBLがネットカフェと変わんない使われ方をされてて、なんかちょっとヤだな、という気はする。日曜なもんで、観光客もカフェにわさわさやってきてて、ぺちゃくちゃおしゃべりだの、このシートは座り心地がどうだの、どうかすると長ベンチで寝転がってたりしておる。紙もゴミも散らかして。ねえ、どうなの? 市民にオープンな図書館、て、こういうことを言うの?
・IdeaStoreなる、会員制&一部有料サービスあり、しかも市民講座やオンライン込みの、知的生活包括的提供サービスみたいな感じの施設。こちらも本体の調査報告はまた別途で、インプレッションはというと、うーん、どうだろうなあ、蔵書が積極的に使われてるという様子もあまり見えず、頻繁に貸し出されるベストリーダーものと、古い年代の使われない資料との二極分化に終わって、さらにネット使う人はネット使う人、みたいになっちゃってるように見える。さらに、これは立地の影響かしら、館内を歩いてても、これちょっと夜間は治安にだいぶと不安を感じるな、という印象すらある。最上階にはカフェがあって、音がするほうへ行ってみると、大画面のテレビがでんと置いてあり、ソファや椅子に地元の人々が大勢いらっしゃって、サッカーの試合をわいわいいながらごらんになっておられる。うん、いいけどさ、日曜の昼間には、コーラやスナックを片手に、大画面でサッカーが見たいんだ、という市民の皆様の欲求に、はいはいとお応えするのが図書館の役目なんだとしたら、図書館ってのはいったいなんなんだ、と思うんだぜ。この調子で、オンラインや在宅サービスや調査のサポートやらをやってるのか、とちょっといぶかしくは思う。
・といいつつ、レファレンスセクションで、ここの会員になれるかどうかを問うてみたところ、UKにパーマネントなアドレスがあることを証明するものが必要、ごめんなさい、とてもごめんなさい、とのことで、うんいえいえ、そりゃそうだよね、いや日本から来ただけのツーリストなんだけどさ、みたいに話をしてると、えっとじゃあ、日本といえば、つい昨日かな、どこそこで何々っていうイベントがあったんだけど行った?みたいなことをおっしゃるので、話を聞いてみると、ネット(註:Google)これこれこういうイベントで、こういう企画があって、今日もまだこれこれならやってるらしくって、と、超模範的ライブラリアン気質であれこれと江上に対して案内をしてくれはる。こういう様子を拝見すると、我々の仕事はこういう感じのが万国共通だな、自分もがんばんなきゃな、と気持ちが改まるよ。
・早、夕刻。近所のコインランドリーで洗濯。韓国料理屋を探すも見つからず断念。かわりに回転寿司屋を発見。なんだろうな、寿司なんかほとんどなくて(笑)、ポテトサラダ、チキンのピリ辛炒め、海草のサラダ、味噌汁、チキンカツカレー、てな具合の注文でしたとさ。斜向いの若いおねえさんなんか、美人さんなのにこういうとこにひとりで来たりするんだなあ、と思ってたら、皿めっちゃ積み上げて帰って行かはった。隣のちょい悪なおじさんは、照り焼きソースをくれ、とわざわざ小皿に入れて持ってこさせて、サーモンだのなんだのをぺったり付けて召し上がる。ガリもソース付けて召し上がる。うん、あんた、このソース好きなだけやな(笑)。
・ホテルすぐ隣のパブで、ビールをいただく。エーデルワイスという白ビールで、こってりしてて、グラスの背も高い高いの。文庫本(註:遙かなるケンブリッジ / 藤原正彦)読みつつ、こてん。そんな、今日もパブ夜。
2009年09月19日
9/19 (Sat) さよならの日、EAJRS4日目
・Norwichを離れる日である。チェックアウト→会議→郊外美術館へのエクスカーション→ロンドンへ移動、というスケジュールに合わせて、大荷物・中荷物・小荷物をアレンジするという頭の体操。
・朝食もそこそこに、チェックアウトを済ます。だって、みなさん会議開始前に駆け込みでチェックアウトしはるだろうから、混むでしょう、と。旅はトラブルを楽しむのが良い、というようなお説をよく拝聴するが、ちょっと考えれば避けられるはずのつまらんトラブルはきっちり避けてスムーズに、避けられないトラブルを純粋にわくわくと楽しめばいい。そしてあらたにコーヒーとトークだけを朝食の場所で楽しむ。
・見れば昨日の中国系の彼女はいない。ケンブリッジから帰って来れたのかな。
・台湾、カナダ、フランス、イタリア、日本といったところで会議は終了。どうしても気になったこと2点のうち1点は質問でき、もう1点は直接本人にぶつけて氷解。ぎゅうぎゅう詰めな会議だけに、質問ひとつするのも気を遣う。そして、その気の遣い方に、日本も欧州も米も何もないと思える。
・最後のコーヒーブレイク。おたくにも見つかってないお宝資料があるかもよ、ベネチアみたいに、なんつって往く時を惜しみつつ語らう。
・最終日の総会。来年の開催地はまだ決まらないらしい、追って沙汰を待てと。時期は9月1日から、でも開催地に拠るよねと。そしてペーパーの締め切りは何月何日ですよと、おぉぅっ、段取り(笑)。
・6月に京大で行なわれたNC講習会の件で、どうもこちらが事前にお願いしてたものとだいぶちがうものだった、感謝はするものの残念だった、これはどう伝えたらいいんだろう、というような感じの話題になる。この総会の場だけでなく、ちょいちょいあちこちでその声を耳にする。事前にもっと強く伝えよう、という結論にはなるものの、んー・・・・・・、日本側の頑固スイッチを懸念。ここは重要なので、あとでちゃんと録音ファイルを聴いて、ちゃんと考える。
・天理もお疲れさん、在外日本古典籍のディレクトリの活動もお疲れさん。そしてその今後。
・そして役職者、世話役、それぞれ互いに感謝とねぎらい。boardのみなさんから議長・セクレタリー・現地世話役のみなさんにサプライズの贈り物が渡され、4日分の感慨がいっそうに盛り上がる。ピンクっ!
・昼。近所のイタリアンで寄り集まったメンバーで会食。リングイーネのマッリーネなやつ(註:シーフード)は、ゆでゆでの給食みたいな麺だったけども、サンドイッチとかよりずいぶんと美味く感じるよ。祇園に連れてくのどうので話が盛り上がるが、江上に連れてけるのは、せいぜい池田屋跡に新しくできた居酒屋(註:新撰組のはっぴの)くらいですよ。しかもまだ行ったことないし。
・午後は、郊外にあるセインズベリーの美術館へ、行く人だけで市バスで向かう。まあ、そりゃ料金で混雑する。同席したのはドイツのアートヒストリーの先生で、空のちっちゃな段ボール箱を抱えてはるから、どうすんですかと問うと、これに今回溜まった紙物を入れて自宅へ送るんだと。聞けば、会議その1、会議その2←いまここ、休暇旅行、会議その3で、1ヶ月ほど英国欧州を移動なさるとかで、休暇のターンでいっぺん帰らないんだ。そういえばレセプションの時はかっちりしたいい服を着てらしたのが今日はカジュアル服で、旅のそういったご準備はばっちりなご様子である。その他、自分のこれまでの遍歴と、ドイツの日本語資料・図書館事情関係の話。過去のEAJRSと今年のEAJRS、今年は人数が多く研究者の参加も多かった等。ギネスとパブの話、ノリッジには365軒のパブがある、教会はサンデーのため、パブはエブリデーのため、等。次の日本図書館訪問はドイツだね、と、フランスの人に対するのと同じことを言うのも、ここ何年か繰り返してきたことではある。早く行かねば、どっちにって、そりゃ両方に、という思いを新たにする。
・某さんのことを、ヒーイズモーストフェーマスライブラリアンインジャパンとさんざん触れ回っておいた、悪い子。
・UEAという、中東のどっかの国かと見紛う大学に到着(註:University of East Anglia、この地方の州立的な大学)。セインズベリーの美術館はこちらのキャンパス内の奥のほうにあるので、みんなでキャンパスを歩いて横切る形になる。こちらはケンブリッジだのなんだのとちがって、至って近代的なアメリカンな雰囲気のコンクリート製キャンパスなんだけども、土曜日の昼下がりの大学生たちの、勝手気ままな活気というのもまた、すこぶる絵になるものであるよ。ただ、アメリカや日本との徹底的な違いはといえば、ベンチや階段に腰掛けた皆の手元、でっかいプラスチックカップの中に、生ビールがなみなみとしてて、こちらの喉が鳴るったらないよね。
・セインズベリーの美術館を堪能。歴史的美術品・考古的遺物の中に、現代美術も展示されていて、例えば、等身大の老いぼれた男性の人形、白ペンキを全身にぶっかけられて、両手にはバケツを持たされ、疲れ切った表情、両耳あたりから後頭部にかけてをすっぽり板のようなもので囲われてて、頭にはなにやら黒い石のような物がぺんっとのっかっている。なるほど、これは現代人の象徴で、身体は汚され、心も汚され、義務や負担や労働やらの重荷を持たされて、疲れ切っており、情報は遮断されて前だけ向いてろ、いらぬ判断はするなと強制され、なにやら得体の知れない不吉なかたまりがのっかっていて自由に身動きがとれない、と。
・みなでまた市バスで帰る。帰りのバスはこれでいいのか、どうなのか(註:江上の旅情的カンでは明らかに乗っていい)というのを、たまさか来てたそこの学生らしき日本人の若者に尋ねて、乗っていいんだということで(ほらごらん。いや、でもバスはこわいよね)、みんなしてまた帰るよ。そして帰り着いたところでさようなら。さようならみなさん、来年逢えたら、また来年。どうぞお元気で。
・歩いて駅へ移動。さようならNorwich。ちょっとだけだったけど、江上はNorwichを愛しました。どうだろう、温泉のない湯布院、的な保養地みたいな感じかしら。4-5日無目的でぐたぐだ滞在するのにちょうどいい感じはするよ。そして、まったく知らずにたまたま訪れることになった街が、そういう感じのいいところであったりするということは、そんな街が世界にはまだあちこちにあるんだろうな、と。私を待ってるまちまちな街たち。
・鉄道でロンドンへ移動。今度はIpswich経由、乗り換えなし。すうっと到着。
・ ・・・・・・また大雨だよorz。そして、また3畳間のホテル。
・大英図書館、ロンドン大学、大英博物館に囲まれたこのあたりは、文教地区&大学街といった感じで、ホテル近くには、お安くカジュアルで猥雑な感じの商店がつらつらっと立ち並ぶ。その歩道を、男子といい女子といい、ものっすごいでっかいキャリーケースをころころ引きずりながら、右へ左へと過ぎ去っていく、この子らは、おそらくロンドン大学の新入生とか新院生とかなんだね。新学期の風景であるよ。交差点でどっちへ行ったらいいのか不安げにきょろきょろしたり、信号渡るのもおっかなびっくりであったり。たくさん勉強するんだよ、みんな。
・食事もできて飲みもできるパブを(しかもどうしても今夜はフィッシュ&チップスな気分)探しに夜の街に繰り出すんだけども、昨夜と同じで、いや、もうキッチンは終わったからフードは出ないよ、と断られ続けざむらい。遅いったって、8時、いやもう9時か、だからって、フード出ないか、そうですか、それはもうNorwichのような地方だからそうなんだと昨日は思ってたけど、大都会ロンドンでもそういうやつなんだね。困ったなと、6軒、7軒とはしご(註:飲んではない、てか、早いとこ飲みたい(涙))。
・ようやく、表通り(註:BLの真向かいだった)のやたら賑わったパブに入ってみる。ここでフードは出るの?とカウンターのおねえさんに問うと、出るには出るようなのだけども、まずあなたのテーブルの番号を言ってちょうだい、とおっしゃる。なるほど、立ってくいっと飲むならその場でもらえるが、座って飯食うならテーブル確保が先ということか?と、席を取った上で再度カウンターへ。厚紙に印刷でしつらえられたメニューをながめるも、フィッシュ&チップスが見つからないので、カウンターのおにいさんをつかまえて、あの、さっきからこのメニュー見てるんだけど、おたくにはフィッシュ&チップスないの?と問うてみると、フィッシュ&チップス、えーと、あると思うんだけどな、ちょっと待ってね、と、奥の人に聞きに行く。戻ってきて、うん、あるよ、これね、ごめんなさい、実は今日が初日なもんで自分、とおっしゃるので、おやそうかい、と。そっちが初日くらいのたどたどしさのほうが、こっちも緊張せずにオーダーできるかも、と思いつつ、ギネスとフィッシュ&チップスとを注文するんだけど、今度はそのおにいさん、オーダーシステムのパネルの使い方がわかんなくてあくせくしてはる。どうやらこの店は、客の注文をカウンターで受けて、そこにあるタッチパネル式のレジで注文品を入力して、しかもテーブルナンバーもそこに入力して、というずいぶんにシステマチックな作りになっておられる。そして初日のおにいさんは、パネルの操作の何も分からぬまま、戦場のようにオーダーの銃弾が飛び交う大都会ロンドンの表通りの大規模パブのカウンターに立っておられる、と。その心中や、いかに。ていうか、従業員研修のあり方とかって、どう? 隣の、さらにお若いおねえさんにぶっきらぼうに教えてもらいながら、こうするの、こうするの、とパネルをひとつひとつタッチしていくのだけども、OKできた、とおっしゃるお兄さんの手元をのぞき見ると、どうも最後のテーブルナンバーボタンが正しく押されてないんじゃないか、という不安にかられてしまう。それでもギネスだけその場で受け取って、おとなしく席で待ってる、来るのかな、ほんとに来るかなどうかな、もう来ないんじゃないかな、と変なドキドキを抱きながらテーブルに置いてあるあれやこれやのメニューのシートを見ていると、あ、これあれだ、木造の内装でトラディショナルっぽくは見えるけども、チェーン店なんだね。メニューは小綺麗に印刷されてファミレスっぽいし、今月のおすすめドリンクというシートは完全にプロの写真とデザインだし、何ポンドのキャッシュバックがあたるからwebサイトへアクセス、というようなチラシとかまであるし、ああそうか、白木屋だ、ここ。だから、テーブルナンバーで管理もしてるし、タッチパネルだし、なんだ。日本にも伝統的と思わせといてチェーンな居酒屋があるのと同じように、ここもそうなんだね、イギリスにもそういうのってあるんだね、そりゃあるか、そうだよね。なんつって、待ってると、フィッシュ&チップスが無事にご到着なさる。でももはや、ギネス1パイントは空だよ!(笑)てんで、料理をとりあえずそのまま置いて、再度カウンターへ。そしたら、再度そのおにいさん。今度は、Norwichで日本人の人に噂でうかがっていたレッドギネス(註:ブラウンで、スタウトじゃない、すこぶる飲みやすいギネス、うん、そんなのギネスなんかじゃない)に挑戦してみようってんで、おにいさんに注文するんだけど、今度はそのレッドギネスがカウンターのサーバ蛇口から出てこない。どうしようと右往左往してはるうちに、あっちの客からお声がかかる、奥のスタッフと何やら言い交わしてる、別の注文がパネルに打ち込まれる、で、温厚な我が輩もさすがに、ああ、ダメだこりゃ、とあきらめてテーブルに戻る。1/3くらい食べて、あとでもういっぺん行ってみような、そうしようよな、白木屋だしな、と、もそもそフィッシュ&チップスを食べている、そのフィッシュもチップスも、ああ、こりゃ冷凍を揚げたやつだな、異国の料理とは言え、衣の付き方なり身の感じからそれとわかるよ。そりゃまあ白木屋だしな、ファミレス料理だな、とぼやきが入り始めたところで、誰かが私の肩にそっと手を回し、目の前にことんとギネスのグラスが差し出される。おにいさん曰く、ごめんよ、待たせたね、これが君のギネスだよ。私曰く、まあ、わざわざ持ってきてくださったのね、どうもありがとう、もう逢えないとばかり思ってたわ。おにいさん曰く、3ポンド50です。てな感じで、テーブルまでわざわざレッドギネスを運んで来てくれたおにいさんの、仕事を越えた丁寧かつハートフルなサービス(註:フロアのお運びさんは別途その役割の人がいるはずで、そもそもあんな大忙しなカウンターから離れるなんて、尋常でない)に心から感謝するよ。システマチックな白木屋にもこんな一幕が起こりうるんだなあ、と思う反面、まあこれは、彼が初日だったから&いったん江上の前で不手際をしてるからこそ、がんばってこういうエクストラな行動に出てくれはったんであって、これが2日・3日、1月・2月もして手慣れてくると、そんなん知らんわい、的にすれた感じになるんであろうなというのも、わかるよ、よくわかる。そんなもんだよ。あと、フィッシュ&チップスの下に敷いてあった紙のシートに、店の名前がロゴで印刷してあって、チェーンだな、と思う。
・さて帰ろうかなという段になって、唐突に、隣の席の若いちゃらちゃらしたおしゃれの女性ふたりが、ねえ、ちょっと、と声をかけてくるので、ドキドキしながら聞いていると、何のことはない、バッグを指さして、席を離れるからちょっと見ててくれないか、という話であったので、ごめんね、アイムリービングナウ、と。ああ、はいはい、と彼女らはカバンとともに席を立ち、外の歩道におタバコを吸いにでかけましたとさ。そんな、パブ夜。
・朝食もそこそこに、チェックアウトを済ます。だって、みなさん会議開始前に駆け込みでチェックアウトしはるだろうから、混むでしょう、と。旅はトラブルを楽しむのが良い、というようなお説をよく拝聴するが、ちょっと考えれば避けられるはずのつまらんトラブルはきっちり避けてスムーズに、避けられないトラブルを純粋にわくわくと楽しめばいい。そしてあらたにコーヒーとトークだけを朝食の場所で楽しむ。
・見れば昨日の中国系の彼女はいない。ケンブリッジから帰って来れたのかな。
・台湾、カナダ、フランス、イタリア、日本といったところで会議は終了。どうしても気になったこと2点のうち1点は質問でき、もう1点は直接本人にぶつけて氷解。ぎゅうぎゅう詰めな会議だけに、質問ひとつするのも気を遣う。そして、その気の遣い方に、日本も欧州も米も何もないと思える。
・最後のコーヒーブレイク。おたくにも見つかってないお宝資料があるかもよ、ベネチアみたいに、なんつって往く時を惜しみつつ語らう。
・最終日の総会。来年の開催地はまだ決まらないらしい、追って沙汰を待てと。時期は9月1日から、でも開催地に拠るよねと。そしてペーパーの締め切りは何月何日ですよと、おぉぅっ、段取り(笑)。
・6月に京大で行なわれたNC講習会の件で、どうもこちらが事前にお願いしてたものとだいぶちがうものだった、感謝はするものの残念だった、これはどう伝えたらいいんだろう、というような感じの話題になる。この総会の場だけでなく、ちょいちょいあちこちでその声を耳にする。事前にもっと強く伝えよう、という結論にはなるものの、んー・・・・・・、日本側の頑固スイッチを懸念。ここは重要なので、あとでちゃんと録音ファイルを聴いて、ちゃんと考える。
・天理もお疲れさん、在外日本古典籍のディレクトリの活動もお疲れさん。そしてその今後。
・そして役職者、世話役、それぞれ互いに感謝とねぎらい。boardのみなさんから議長・セクレタリー・現地世話役のみなさんにサプライズの贈り物が渡され、4日分の感慨がいっそうに盛り上がる。ピンクっ!
・昼。近所のイタリアンで寄り集まったメンバーで会食。リングイーネのマッリーネなやつ(註:シーフード)は、ゆでゆでの給食みたいな麺だったけども、サンドイッチとかよりずいぶんと美味く感じるよ。祇園に連れてくのどうので話が盛り上がるが、江上に連れてけるのは、せいぜい池田屋跡に新しくできた居酒屋(註:新撰組のはっぴの)くらいですよ。しかもまだ行ったことないし。
・午後は、郊外にあるセインズベリーの美術館へ、行く人だけで市バスで向かう。まあ、そりゃ料金で混雑する。同席したのはドイツのアートヒストリーの先生で、空のちっちゃな段ボール箱を抱えてはるから、どうすんですかと問うと、これに今回溜まった紙物を入れて自宅へ送るんだと。聞けば、会議その1、会議その2←いまここ、休暇旅行、会議その3で、1ヶ月ほど英国欧州を移動なさるとかで、休暇のターンでいっぺん帰らないんだ。そういえばレセプションの時はかっちりしたいい服を着てらしたのが今日はカジュアル服で、旅のそういったご準備はばっちりなご様子である。その他、自分のこれまでの遍歴と、ドイツの日本語資料・図書館事情関係の話。過去のEAJRSと今年のEAJRS、今年は人数が多く研究者の参加も多かった等。ギネスとパブの話、ノリッジには365軒のパブがある、教会はサンデーのため、パブはエブリデーのため、等。次の日本図書館訪問はドイツだね、と、フランスの人に対するのと同じことを言うのも、ここ何年か繰り返してきたことではある。早く行かねば、どっちにって、そりゃ両方に、という思いを新たにする。
・某さんのことを、ヒーイズモーストフェーマスライブラリアンインジャパンとさんざん触れ回っておいた、悪い子。
・UEAという、中東のどっかの国かと見紛う大学に到着(註:University of East Anglia、この地方の州立的な大学)。セインズベリーの美術館はこちらのキャンパス内の奥のほうにあるので、みんなでキャンパスを歩いて横切る形になる。こちらはケンブリッジだのなんだのとちがって、至って近代的なアメリカンな雰囲気のコンクリート製キャンパスなんだけども、土曜日の昼下がりの大学生たちの、勝手気ままな活気というのもまた、すこぶる絵になるものであるよ。ただ、アメリカや日本との徹底的な違いはといえば、ベンチや階段に腰掛けた皆の手元、でっかいプラスチックカップの中に、生ビールがなみなみとしてて、こちらの喉が鳴るったらないよね。
・セインズベリーの美術館を堪能。歴史的美術品・考古的遺物の中に、現代美術も展示されていて、例えば、等身大の老いぼれた男性の人形、白ペンキを全身にぶっかけられて、両手にはバケツを持たされ、疲れ切った表情、両耳あたりから後頭部にかけてをすっぽり板のようなもので囲われてて、頭にはなにやら黒い石のような物がぺんっとのっかっている。なるほど、これは現代人の象徴で、身体は汚され、心も汚され、義務や負担や労働やらの重荷を持たされて、疲れ切っており、情報は遮断されて前だけ向いてろ、いらぬ判断はするなと強制され、なにやら得体の知れない不吉なかたまりがのっかっていて自由に身動きがとれない、と。
・みなでまた市バスで帰る。帰りのバスはこれでいいのか、どうなのか(註:江上の旅情的カンでは明らかに乗っていい)というのを、たまさか来てたそこの学生らしき日本人の若者に尋ねて、乗っていいんだということで(ほらごらん。いや、でもバスはこわいよね)、みんなしてまた帰るよ。そして帰り着いたところでさようなら。さようならみなさん、来年逢えたら、また来年。どうぞお元気で。
・歩いて駅へ移動。さようならNorwich。ちょっとだけだったけど、江上はNorwichを愛しました。どうだろう、温泉のない湯布院、的な保養地みたいな感じかしら。4-5日無目的でぐたぐだ滞在するのにちょうどいい感じはするよ。そして、まったく知らずにたまたま訪れることになった街が、そういう感じのいいところであったりするということは、そんな街が世界にはまだあちこちにあるんだろうな、と。私を待ってるまちまちな街たち。
・鉄道でロンドンへ移動。今度はIpswich経由、乗り換えなし。すうっと到着。
・ ・・・・・・また大雨だよorz。そして、また3畳間のホテル。
・大英図書館、ロンドン大学、大英博物館に囲まれたこのあたりは、文教地区&大学街といった感じで、ホテル近くには、お安くカジュアルで猥雑な感じの商店がつらつらっと立ち並ぶ。その歩道を、男子といい女子といい、ものっすごいでっかいキャリーケースをころころ引きずりながら、右へ左へと過ぎ去っていく、この子らは、おそらくロンドン大学の新入生とか新院生とかなんだね。新学期の風景であるよ。交差点でどっちへ行ったらいいのか不安げにきょろきょろしたり、信号渡るのもおっかなびっくりであったり。たくさん勉強するんだよ、みんな。
・食事もできて飲みもできるパブを(しかもどうしても今夜はフィッシュ&チップスな気分)探しに夜の街に繰り出すんだけども、昨夜と同じで、いや、もうキッチンは終わったからフードは出ないよ、と断られ続けざむらい。遅いったって、8時、いやもう9時か、だからって、フード出ないか、そうですか、それはもうNorwichのような地方だからそうなんだと昨日は思ってたけど、大都会ロンドンでもそういうやつなんだね。困ったなと、6軒、7軒とはしご(註:飲んではない、てか、早いとこ飲みたい(涙))。
・ようやく、表通り(註:BLの真向かいだった)のやたら賑わったパブに入ってみる。ここでフードは出るの?とカウンターのおねえさんに問うと、出るには出るようなのだけども、まずあなたのテーブルの番号を言ってちょうだい、とおっしゃる。なるほど、立ってくいっと飲むならその場でもらえるが、座って飯食うならテーブル確保が先ということか?と、席を取った上で再度カウンターへ。厚紙に印刷でしつらえられたメニューをながめるも、フィッシュ&チップスが見つからないので、カウンターのおにいさんをつかまえて、あの、さっきからこのメニュー見てるんだけど、おたくにはフィッシュ&チップスないの?と問うてみると、フィッシュ&チップス、えーと、あると思うんだけどな、ちょっと待ってね、と、奥の人に聞きに行く。戻ってきて、うん、あるよ、これね、ごめんなさい、実は今日が初日なもんで自分、とおっしゃるので、おやそうかい、と。そっちが初日くらいのたどたどしさのほうが、こっちも緊張せずにオーダーできるかも、と思いつつ、ギネスとフィッシュ&チップスとを注文するんだけど、今度はそのおにいさん、オーダーシステムのパネルの使い方がわかんなくてあくせくしてはる。どうやらこの店は、客の注文をカウンターで受けて、そこにあるタッチパネル式のレジで注文品を入力して、しかもテーブルナンバーもそこに入力して、というずいぶんにシステマチックな作りになっておられる。そして初日のおにいさんは、パネルの操作の何も分からぬまま、戦場のようにオーダーの銃弾が飛び交う大都会ロンドンの表通りの大規模パブのカウンターに立っておられる、と。その心中や、いかに。ていうか、従業員研修のあり方とかって、どう? 隣の、さらにお若いおねえさんにぶっきらぼうに教えてもらいながら、こうするの、こうするの、とパネルをひとつひとつタッチしていくのだけども、OKできた、とおっしゃるお兄さんの手元をのぞき見ると、どうも最後のテーブルナンバーボタンが正しく押されてないんじゃないか、という不安にかられてしまう。それでもギネスだけその場で受け取って、おとなしく席で待ってる、来るのかな、ほんとに来るかなどうかな、もう来ないんじゃないかな、と変なドキドキを抱きながらテーブルに置いてあるあれやこれやのメニューのシートを見ていると、あ、これあれだ、木造の内装でトラディショナルっぽくは見えるけども、チェーン店なんだね。メニューは小綺麗に印刷されてファミレスっぽいし、今月のおすすめドリンクというシートは完全にプロの写真とデザインだし、何ポンドのキャッシュバックがあたるからwebサイトへアクセス、というようなチラシとかまであるし、ああそうか、白木屋だ、ここ。だから、テーブルナンバーで管理もしてるし、タッチパネルだし、なんだ。日本にも伝統的と思わせといてチェーンな居酒屋があるのと同じように、ここもそうなんだね、イギリスにもそういうのってあるんだね、そりゃあるか、そうだよね。なんつって、待ってると、フィッシュ&チップスが無事にご到着なさる。でももはや、ギネス1パイントは空だよ!(笑)てんで、料理をとりあえずそのまま置いて、再度カウンターへ。そしたら、再度そのおにいさん。今度は、Norwichで日本人の人に噂でうかがっていたレッドギネス(註:ブラウンで、スタウトじゃない、すこぶる飲みやすいギネス、うん、そんなのギネスなんかじゃない)に挑戦してみようってんで、おにいさんに注文するんだけど、今度はそのレッドギネスがカウンターのサーバ蛇口から出てこない。どうしようと右往左往してはるうちに、あっちの客からお声がかかる、奥のスタッフと何やら言い交わしてる、別の注文がパネルに打ち込まれる、で、温厚な我が輩もさすがに、ああ、ダメだこりゃ、とあきらめてテーブルに戻る。1/3くらい食べて、あとでもういっぺん行ってみような、そうしようよな、白木屋だしな、と、もそもそフィッシュ&チップスを食べている、そのフィッシュもチップスも、ああ、こりゃ冷凍を揚げたやつだな、異国の料理とは言え、衣の付き方なり身の感じからそれとわかるよ。そりゃまあ白木屋だしな、ファミレス料理だな、とぼやきが入り始めたところで、誰かが私の肩にそっと手を回し、目の前にことんとギネスのグラスが差し出される。おにいさん曰く、ごめんよ、待たせたね、これが君のギネスだよ。私曰く、まあ、わざわざ持ってきてくださったのね、どうもありがとう、もう逢えないとばかり思ってたわ。おにいさん曰く、3ポンド50です。てな感じで、テーブルまでわざわざレッドギネスを運んで来てくれたおにいさんの、仕事を越えた丁寧かつハートフルなサービス(註:フロアのお運びさんは別途その役割の人がいるはずで、そもそもあんな大忙しなカウンターから離れるなんて、尋常でない)に心から感謝するよ。システマチックな白木屋にもこんな一幕が起こりうるんだなあ、と思う反面、まあこれは、彼が初日だったから&いったん江上の前で不手際をしてるからこそ、がんばってこういうエクストラな行動に出てくれはったんであって、これが2日・3日、1月・2月もして手慣れてくると、そんなん知らんわい、的にすれた感じになるんであろうなというのも、わかるよ、よくわかる。そんなもんだよ。あと、フィッシュ&チップスの下に敷いてあった紙のシートに、店の名前がロゴで印刷してあって、チェーンだな、と思う。
・さて帰ろうかなという段になって、唐突に、隣の席の若いちゃらちゃらしたおしゃれの女性ふたりが、ねえ、ちょっと、と声をかけてくるので、ドキドキしながら聞いていると、何のことはない、バッグを指さして、席を離れるからちょっと見ててくれないか、という話であったので、ごめんね、アイムリービングナウ、と。ああ、はいはい、と彼女らはカバンとともに席を立ち、外の歩道におタバコを吸いにでかけましたとさ。そんな、パブ夜。
2009年09月18日
9/18(fri)
・早朝からテレビのニュースを聞いていると”タケフジ”という言葉が聞こえたので、画面を見ると”Aiful”がどうとかと書いてある。
・朝からクイズ番組を見ている。視聴者参加の1対1。9つのランダムなアルファベットが示されて、30秒以内に、それを使ってできるだけ長い(文字数の多い)1単語を作ったほうがポイント取得、という形式。解答者が5文字とか6文字とかの単語をひねり出して、Aさんの勝ち〜とかゆって、その後に番組付きの言葉のスペシャリストが7-8文字のこんな単語が作れますよ、とやってみせて、なるほどなあ、となる。さて、この9つのアルファベットが100%ランダムとは思えない。100%ランダムにしてしまうと、どうひねっても3-4文字の長さの単語しかできないとか、全員があっという間に6-7文字の長い単語を思いついてしまうとか、そういう”番組としておもろくない”展開になっちゃうわけだから、しかもマジランダムだとそんなものだらけになっちゃうから、そうでない、ちょうどいい文字列をあらかじめある程度用意しておいて、てのをせねばならん。回答者自身に、ふたつの文字カードの山からどっちかを1枚づつ×8回選ばせる、というのはランダムに見えて、どっかにトリックがあるんじゃないかな。・・・あ、prisoner、江上正解!
・朝食は、カリフォルニアの仏教学の先生と同席。どうやらこの先生の英語と声も自分にとってはすこぶる聞きとりやすいらしい。日本に何度も来てはって日本人の相手も慣れてはるだろうから、合わせてくれてはったのかな。たくさんの話をする。朝食はごはんと味噌汁がいいよねという話。京大文学部閲覧室で目録カードをひいたら、「謡曲大観」が「”ゑふ”きょくたいかん」で並んでるから探せるわけねえじゃんていう話、それは江上とか学生が作らされたんだよという話。九州弁と関西弁と薩摩藩と鹿児島弁の話。お互い鉄道旅行が好きだという話、博多から京都まで(そう、その間で方言がちょっとづつかわってくのがおもろいよ、という話)とか、ボストンからサンフランシスコまでとかの。ミカエルとマイケル、ジョンとヨハネとジョバンニの話。日本の図書館員のローテーションな異動はけしからんという話。ブラックベリーが好きだよ、でもいつもの朝食でデザートとか食べるわけじゃないよ、という話。京大の話、日文研の話、ハーバードの話、いろいろ。
・朝食後、ホテルお隣のカテドラルへ行ってみる。朝早くで人誰もいない・・・おばさんが花を活けている。思った以上に荘厳で、高い(ゴシック)。ステンドグラスもわりと古めで、寂びた感じが眼に心地いいなあ。コツコツとひとり歩いてみる。空気も冷たい。奥の方でたぶんマジ礼拝的なことをやってはるんであろう、お唱えが聞こえる、独唱になったり合唱になったり。昼間になると、あっちの中庭の回廊(クロイスター?)とかLibrary的なところへも行けるのかもしんないけど、今回はムリかなあ。
・そんなことより、そのお隣には小なり中なり高なりの学校があって、制服を着た男子/女子の小/中/高生がわらわらと登校してきてはる様子が、なんともいとしげいとしげであるよ。たくさん勉強するんだよ、みんな。
・会議は、ImageUseProtocolから始まり。
・昼の空き時間に、Norwichの街をもう一度歩いてみる。例によって本屋を目ざとく発見し、例によってふらりと吸い込まれ、例によって日本のマンガ・ラノベコーナーを発見し、例によっていくつかをお買い上げる。本屋が一番楽しいね(笑)。コーナーの写真を撮らせてもらった、撮っていいかと問うと、いいけど、理由を聞いていいか、と言われた。うん、そりゃそうだよね(笑)。
・午後はCambridgeへチャーターしたコーチで向かう。・・・しんどい。気持ち悪い。苦行。
・Cambridgeに到着。郊外から徐々にセンターへ近づくので、生活してる人たちの街の様子を拝見。自転車の学生がやたら多いのは、大学街の典型かしらん。レンガの家々を見ながら、外来研究者のみなさんたぶんこういうところに下宿したり住まったりしてはるんだろうね、と眺める。・・・いいなあ。
・Cambridgeの中央図書館は、オックスフォードとは違い近代のものです。年に一度の書架整理中ですが、みんなで中に入れてもらえましたです。拝見したのは日本語資料図書室内で、ケンブリッジさんが持ってはる日本古典籍。古活字嵯峨本の伊勢物語とか、英国国内で最初に持ち込まれたとされる日本書籍、だとか、奈良絵本の類だとか、刷り物とか、机上に陳列されてるのを、日英欧米の司書&人文系研究者、それぞれ似たような異なるようなバックグラウンドを持つ、初対面でもだいぶ仲良くなってフラットにつきあえるようになった人たち同士で、ひとつひとつのぞき見てはあれこれ言う。しかも江上はわりと得意分野寄り。ねえ、この世にこんなぜいたくな時間がほかにありますか、まったく。
・続いてCambridgeの街中にある美術館へ移動。移動中の街並み、例えばケム側にかかる木製の古いブリッジとか、そういうのがいちいち眼の保養。美術館はアジア系の陶器磁器彫物類とか、絵本刷り物の類を拝見。エンボスにしてメタリックで色づけしてるのとか。
・全員移動はこれで解散、そして、中国系ライブラリアン、イタリアの学生、スペインの研究者の人たちなどと、街中をぶらぶら歩いてみる。中国系ライブラリアンの人は、日本語はまだぜんぜんだと自分ではおっしゃるけども、おかまいなしによくしゃべる、うん、それが大事なんだよね外国語はね。それじゃ呼び捨てだよ、お母さんみたいだよ、とかいうような漫才の掛け合いをしながら、街中の庭や通りや路地や橋やを練り歩く。オックスフォードほど街全部何もかも古いという感じではないけども、やはり、何百年という時間を感じずにはいられない色と、肌触り目触り耳触りと、土感と石感と空気感が、ほぉぅっという溜め息になって口から自然に出るよ。そして、たくさんの学生たち。そう、学生。この背景・この街に、この若々しい幼ささえ残る見た目の学生たちがいてきゃいきゃいしてるから、余計に絵になるんだよね。
・日本食レストランへ行くというみなと別れて、さらに歩く。もうひとつのケンブリッジ、そう、ハーバード大学のあるあの街と比べて違うのは、商店なり街のスポットが分散してなくて寄り集まってるから、歩いてあちこち行きやすい。あと、そうだ、そもそも車が通るほどの道はセンターにはほとんどなくて、だいたい歩行者だけの道みたいになってるから、とにかく歩きやすい。註、石畳の歩きにくいというのはまた別。ここで暮らしてたらまたいろいろちがってたんだろうなあ、とは思う。
・さて、歩道をつかつか歩いていると、突然、後ろ髪をくいっとひっぱられる(註:慣用句としてでなく、物理的に)感触におそわれ、ひやっという声を軽くあげてしまう。ふりかえると、ものっすごいじゃらじゃらしたパンクだかロックだかイケイケだかな格好の女子3人組、かわいこちゃんじゃなかったらただのマジャコングだろう、が、くすくすと笑いをかみ殺すような感じでこっちを見つつ、悪い悪い、みたいにしてるから、なんなんだろう、からかわれたのかな、と思ってたら、ひとりが腹を決めたかのようにしておっしゃるには、いや、あんたのそのジャンパーについてるフードがさ、なんかもう取れかかってて落ちそうでさ、とかで、見るとなるほど、着脱できる式のフードのジッパーが7割方開いちゃって落ちそう、これを後ろから止めようと手を出さはったのか、ただたんに自分の髪がひっかかっただけなのかはしんないけど、いいよわかったよ、やったげるよ、みたいな感じでその女子が江上のジャンパーのフードをたどたどしく止めてくれるのを、おとなしくじぃっと待ってるという。・・・・・・何、この時間(笑)。はいどうぞ、パンパンッとはたいて、仲間とともにつかつかと歩き去る、彼女らは、この金曜の夜どこぞのパブで遊びほうけるのでしょうかしら。・・・・・・数十メートル先でさっそくどこぞの男子に口喧嘩売られてたけど(笑)。
・夜にNorwichに戻る。まだ食事してない。どこぞのパブでビールとフードでも、と思うんだけども、街中歩いて歩いて歩いても、パブでフードは出してない、とおっしゃる。うへえ、なんだあの店がそうなんじゃなくて、イギリスさんはそもそもそういうことなんだ、と、どろどろに疲れた体をひきずって歩いていると、やっとのことでパブ兼タイ料理というお店を裏路地的なところに発見できて、助かったよう、てなる。注文したのはコヨーテとおっしゃる銘柄のビールと、豚肉をカレーペーストで炒めたの。タイ系らしきおねえさんは、”これはカレーじゃないよ、カレー味なだけだよ”と何度も何度も釘を刺すからおかしくて、わかってるってばもう(笑)。あとごはんは、スチームなライスとスティッキィなライスとがあって、迷わずスティッキィにしたら、どんだけもちもちしてるんだというようなのが出てきた。桜餅? でもめっちゃうまくて泣きそうだった。豚肉がいいよね、何せね。欧米で旅行してると、うまい米が恋しいとか醤油が恋しいとか味噌汁が恋しいとかもまああるっちゃあるんだけども、意外と、おいしい豚肉料理に出会えないということが多くて、だいたいチキンかビーフかだし、あってもぱさぱさして旨くないとかで、いやあ、真っ赤なカレーペーストやバジルやにまみれたこの豚肉の旨さに久しぶりにお逢いできたっ、と感涙する感じになる。日本人は豚肉好きですからねえ、という、輸入豚肉不安ニュースを伝えたときのめざましテレビでの高島アナのコメントを思い出さずにはいられなくなる。
・そんなこんな上機嫌のタイ夜。
・朝からクイズ番組を見ている。視聴者参加の1対1。9つのランダムなアルファベットが示されて、30秒以内に、それを使ってできるだけ長い(文字数の多い)1単語を作ったほうがポイント取得、という形式。解答者が5文字とか6文字とかの単語をひねり出して、Aさんの勝ち〜とかゆって、その後に番組付きの言葉のスペシャリストが7-8文字のこんな単語が作れますよ、とやってみせて、なるほどなあ、となる。さて、この9つのアルファベットが100%ランダムとは思えない。100%ランダムにしてしまうと、どうひねっても3-4文字の長さの単語しかできないとか、全員があっという間に6-7文字の長い単語を思いついてしまうとか、そういう”番組としておもろくない”展開になっちゃうわけだから、しかもマジランダムだとそんなものだらけになっちゃうから、そうでない、ちょうどいい文字列をあらかじめある程度用意しておいて、てのをせねばならん。回答者自身に、ふたつの文字カードの山からどっちかを1枚づつ×8回選ばせる、というのはランダムに見えて、どっかにトリックがあるんじゃないかな。・・・あ、prisoner、江上正解!
・朝食は、カリフォルニアの仏教学の先生と同席。どうやらこの先生の英語と声も自分にとってはすこぶる聞きとりやすいらしい。日本に何度も来てはって日本人の相手も慣れてはるだろうから、合わせてくれてはったのかな。たくさんの話をする。朝食はごはんと味噌汁がいいよねという話。京大文学部閲覧室で目録カードをひいたら、「謡曲大観」が「”ゑふ”きょくたいかん」で並んでるから探せるわけねえじゃんていう話、それは江上とか学生が作らされたんだよという話。九州弁と関西弁と薩摩藩と鹿児島弁の話。お互い鉄道旅行が好きだという話、博多から京都まで(そう、その間で方言がちょっとづつかわってくのがおもろいよ、という話)とか、ボストンからサンフランシスコまでとかの。ミカエルとマイケル、ジョンとヨハネとジョバンニの話。日本の図書館員のローテーションな異動はけしからんという話。ブラックベリーが好きだよ、でもいつもの朝食でデザートとか食べるわけじゃないよ、という話。京大の話、日文研の話、ハーバードの話、いろいろ。
・朝食後、ホテルお隣のカテドラルへ行ってみる。朝早くで人誰もいない・・・おばさんが花を活けている。思った以上に荘厳で、高い(ゴシック)。ステンドグラスもわりと古めで、寂びた感じが眼に心地いいなあ。コツコツとひとり歩いてみる。空気も冷たい。奥の方でたぶんマジ礼拝的なことをやってはるんであろう、お唱えが聞こえる、独唱になったり合唱になったり。昼間になると、あっちの中庭の回廊(クロイスター?)とかLibrary的なところへも行けるのかもしんないけど、今回はムリかなあ。
・そんなことより、そのお隣には小なり中なり高なりの学校があって、制服を着た男子/女子の小/中/高生がわらわらと登校してきてはる様子が、なんともいとしげいとしげであるよ。たくさん勉強するんだよ、みんな。
・会議は、ImageUseProtocolから始まり。
・昼の空き時間に、Norwichの街をもう一度歩いてみる。例によって本屋を目ざとく発見し、例によってふらりと吸い込まれ、例によって日本のマンガ・ラノベコーナーを発見し、例によっていくつかをお買い上げる。本屋が一番楽しいね(笑)。コーナーの写真を撮らせてもらった、撮っていいかと問うと、いいけど、理由を聞いていいか、と言われた。うん、そりゃそうだよね(笑)。
・午後はCambridgeへチャーターしたコーチで向かう。・・・しんどい。気持ち悪い。苦行。
・Cambridgeに到着。郊外から徐々にセンターへ近づくので、生活してる人たちの街の様子を拝見。自転車の学生がやたら多いのは、大学街の典型かしらん。レンガの家々を見ながら、外来研究者のみなさんたぶんこういうところに下宿したり住まったりしてはるんだろうね、と眺める。・・・いいなあ。
・Cambridgeの中央図書館は、オックスフォードとは違い近代のものです。年に一度の書架整理中ですが、みんなで中に入れてもらえましたです。拝見したのは日本語資料図書室内で、ケンブリッジさんが持ってはる日本古典籍。古活字嵯峨本の伊勢物語とか、英国国内で最初に持ち込まれたとされる日本書籍、だとか、奈良絵本の類だとか、刷り物とか、机上に陳列されてるのを、日英欧米の司書&人文系研究者、それぞれ似たような異なるようなバックグラウンドを持つ、初対面でもだいぶ仲良くなってフラットにつきあえるようになった人たち同士で、ひとつひとつのぞき見てはあれこれ言う。しかも江上はわりと得意分野寄り。ねえ、この世にこんなぜいたくな時間がほかにありますか、まったく。
・続いてCambridgeの街中にある美術館へ移動。移動中の街並み、例えばケム側にかかる木製の古いブリッジとか、そういうのがいちいち眼の保養。美術館はアジア系の陶器磁器彫物類とか、絵本刷り物の類を拝見。エンボスにしてメタリックで色づけしてるのとか。
・全員移動はこれで解散、そして、中国系ライブラリアン、イタリアの学生、スペインの研究者の人たちなどと、街中をぶらぶら歩いてみる。中国系ライブラリアンの人は、日本語はまだぜんぜんだと自分ではおっしゃるけども、おかまいなしによくしゃべる、うん、それが大事なんだよね外国語はね。それじゃ呼び捨てだよ、お母さんみたいだよ、とかいうような漫才の掛け合いをしながら、街中の庭や通りや路地や橋やを練り歩く。オックスフォードほど街全部何もかも古いという感じではないけども、やはり、何百年という時間を感じずにはいられない色と、肌触り目触り耳触りと、土感と石感と空気感が、ほぉぅっという溜め息になって口から自然に出るよ。そして、たくさんの学生たち。そう、学生。この背景・この街に、この若々しい幼ささえ残る見た目の学生たちがいてきゃいきゃいしてるから、余計に絵になるんだよね。
・日本食レストランへ行くというみなと別れて、さらに歩く。もうひとつのケンブリッジ、そう、ハーバード大学のあるあの街と比べて違うのは、商店なり街のスポットが分散してなくて寄り集まってるから、歩いてあちこち行きやすい。あと、そうだ、そもそも車が通るほどの道はセンターにはほとんどなくて、だいたい歩行者だけの道みたいになってるから、とにかく歩きやすい。註、石畳の歩きにくいというのはまた別。ここで暮らしてたらまたいろいろちがってたんだろうなあ、とは思う。
・さて、歩道をつかつか歩いていると、突然、後ろ髪をくいっとひっぱられる(註:慣用句としてでなく、物理的に)感触におそわれ、ひやっという声を軽くあげてしまう。ふりかえると、ものっすごいじゃらじゃらしたパンクだかロックだかイケイケだかな格好の女子3人組、かわいこちゃんじゃなかったらただのマジャコングだろう、が、くすくすと笑いをかみ殺すような感じでこっちを見つつ、悪い悪い、みたいにしてるから、なんなんだろう、からかわれたのかな、と思ってたら、ひとりが腹を決めたかのようにしておっしゃるには、いや、あんたのそのジャンパーについてるフードがさ、なんかもう取れかかってて落ちそうでさ、とかで、見るとなるほど、着脱できる式のフードのジッパーが7割方開いちゃって落ちそう、これを後ろから止めようと手を出さはったのか、ただたんに自分の髪がひっかかっただけなのかはしんないけど、いいよわかったよ、やったげるよ、みたいな感じでその女子が江上のジャンパーのフードをたどたどしく止めてくれるのを、おとなしくじぃっと待ってるという。・・・・・・何、この時間(笑)。はいどうぞ、パンパンッとはたいて、仲間とともにつかつかと歩き去る、彼女らは、この金曜の夜どこぞのパブで遊びほうけるのでしょうかしら。・・・・・・数十メートル先でさっそくどこぞの男子に口喧嘩売られてたけど(笑)。
・夜にNorwichに戻る。まだ食事してない。どこぞのパブでビールとフードでも、と思うんだけども、街中歩いて歩いて歩いても、パブでフードは出してない、とおっしゃる。うへえ、なんだあの店がそうなんじゃなくて、イギリスさんはそもそもそういうことなんだ、と、どろどろに疲れた体をひきずって歩いていると、やっとのことでパブ兼タイ料理というお店を裏路地的なところに発見できて、助かったよう、てなる。注文したのはコヨーテとおっしゃる銘柄のビールと、豚肉をカレーペーストで炒めたの。タイ系らしきおねえさんは、”これはカレーじゃないよ、カレー味なだけだよ”と何度も何度も釘を刺すからおかしくて、わかってるってばもう(笑)。あとごはんは、スチームなライスとスティッキィなライスとがあって、迷わずスティッキィにしたら、どんだけもちもちしてるんだというようなのが出てきた。桜餅? でもめっちゃうまくて泣きそうだった。豚肉がいいよね、何せね。欧米で旅行してると、うまい米が恋しいとか醤油が恋しいとか味噌汁が恋しいとかもまああるっちゃあるんだけども、意外と、おいしい豚肉料理に出会えないということが多くて、だいたいチキンかビーフかだし、あってもぱさぱさして旨くないとかで、いやあ、真っ赤なカレーペーストやバジルやにまみれたこの豚肉の旨さに久しぶりにお逢いできたっ、と感涙する感じになる。日本人は豚肉好きですからねえ、という、輸入豚肉不安ニュースを伝えたときのめざましテレビでの高島アナのコメントを思い出さずにはいられなくなる。
・そんなこんな上機嫌のタイ夜。

